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社会福祉士・精神保健福祉士試験対策の本格的なeラーニング教材
2020-12-03

宮講師の「試験に+α情報」 第5回

ふくし合格ネットの宮香菜子講師が、社会福祉士国家試験で出題が考えられる「+α情報」をお伝えするコーナーです。
ふくし合格ネットのテキストでは基本的な知識を押さえることが中心ですが、テキスト学習に加えてここで取り上げている情報を把握することで、より万全な試験対策になります。

第5回は「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」に関する情報です。

児童の貧困(2018(平成30年)の子どもの貧困率(17歳以下)は13.5%)、児童虐待(2016(平成28)年度)の虐待対応件数は、児童相談所で122,575件と過去最多)に関する改正法や大綱、手引きについて取り上げます。特に児童虐待に関しては、国家試験でも出題が続いています(第32回問題141「学校の対応」、第31回問題137「保育所の対応)、第30回問題140「市の子ども家庭課の対応」)。

そのほか、新法である「成育基本法」、第4次となる「少子化社会対策大綱」、5年ごとに実施されている「児童養護施設入所児童等調査」について取り上げています。

 

児童や家庭に対する支援・制度の近年の動向

・子どもの貧困対策の推進に関する法律

(2019(令和元)年6月19日改正)

目的

①子どもの将来だけでなく「現在」に向けた対策であること、②貧困解消に向けて、児童の権利条約の精神に則り推進すること、が新たに明記された。

基本理念

①社会のあらゆる分野において、子どもの年齢等に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先考慮されること、 ②子どもの状況に応じ包括的かつ早期に各施策を講ずること、 ③貧困の背景に様々な社会的要因があることを踏まえることが新たに加えられた。

その他

①貧困対策計画:市町村に対し、努力義務が課された。

②教育支援:教育の機会均等が図られる旨が明記された。

③生活支援:社会との交流の機会の提供など直接的ではない支援も記載された。

④就労支援:職業生活の安定と向上に資するための支援が明記された。

⑤調査研究:指標に関する研究等を行う旨が明記された。

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab3418&dataType=0&pageNo=1

 

・成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律(成育基本法)

(2018(平成30)年12月14日公布、2019(令和元)年12月1日施行)

次代の社会を担う成育過程にある者の個人としての尊厳が重んぜられ、その心身の健やかな成育が確保されることが重要な課題となっていること等に鑑み、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進することを目的とし、基本理念、国や保護者等の責務、基本方針、基本的施策、協議会等について定められている。

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=80ab6707&dataType=0&pageNo=1&fbclid=IwAR37mnKmQ9IvO8__ELoQbIw9yka8pVP3r6NKlvM48VAE37INw0YIsecV2nU

 

・子供の貧困対策に関する大綱

~ 日本の将来を担う子供たちを 誰一人取り残すことがない社会に向けて ~

(2019(令和元)年11月)

子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づき策定され、概ね5年ごとに見直しが行われている。今回は、第2次の大綱である。

現在から将来にわたり、全ての子供たちが夢や希望を持てる社会を目指し、子育てや貧困を家庭のみの責任とせず、子供を第一に考えた支援を包括的・早期に実施することを目的とし、基本的な方針、子供の貧困に関する指標、指標の改善に向けた重点施策、調査研究や推進体制等について策定されている。

https://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/pdf/r01-taikou.pdf

 

・少子化社会対策大綱 ~新しい令和の時代にふさわしい少子化対策へ~

(2020(令和2)年5月29日)

少子化社会対策基本法に基づく総合的かつ長期的な少子化に対処するための施策の指針であり、概ね5年ごとに見直しが行われている。今回は、第4次の大綱である。

「希望出生率1.8」の実現に向け、環境を整備し、国民が結婚、妊娠・出産、子育てに希望を見出し、男女が互いの生き方を尊重しつつ、主体的な選択により、希望する時期に結婚でき、希望するタイミングで希望する数の子供を持てる社会をつくることを基本的な目標とし、そのための基本的な考え方や施策の方向性・推進体制等が、具体的内容や数値目標とともに策定されている。

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/law/pdf/r020529/shoushika_taikou.pdf

 

・学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き

(文部科学省2020(令和2)年6月改定)

学校関係者は、虐待の発見・対応にあたり、重要な役割を果たしており、虐待と疑われる事案について、迷いなく対応に臨めるよう具体的な対応方法(①日頃の観察から通告まで、②通告後の対応、③子供・保護者との関わり方、転校・進学時の対応)がまとめられている。2019(令和元)年5月に作成されたが、親権者等による体罰の禁止が法に明記されたこと等を踏まえ、令和2年6月に改訂された。

https://www.mext.go.jp/content/20200629-mxt_jidou02-100002838.pdf

 

・児童養護施設入所児童等調査の概要 (2018(平成30)年2月1日現在)

(厚生労働省子ども家庭局 2020(令和2)年1月)

児童福祉法に基づき、要保護児童の福祉増進のための基礎資料を得ることを目的とした全数調査で、概ね5年ごとに実施されている(前回は2013(平成25)年2月1日)。里親及びファミリーホーム委託児童、児童養護施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設・乳児院・自立援助ホーム・障害児入所施設の入所児童、母子生活支援施設の児童並びに保護者を対象としており、総数は約4.6万人である(障害児入所施設は、今回より調査されている)。

https://www.mhlw.go.jp/content/11923000/000595122.pdf

 

早いもので12月になりました。

年々1年があっという間に過ぎるように感じます。

体調管理に気を付け、焦らず試験に備えましょう。

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