宮講師の「試験に+α情報」 第3回
ふくし合格ネットの宮香菜子講師が、社会福祉士国家試験で出題が考えられる「+α情報」をお伝えするコーナーです。
ふくし合格ネットのテキストでは基本的な知識を押さえることが中心ですが、テキスト学習に加えてここで取り上げている情報を把握することで、より万全な試験対策になります。
第3回目は、「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」に関する情報です。
障害者総合支援法では、「意思決定支援」を重要な取組として位置づけており、障害者に関わる多くの人が意思決定支援に参加するためのガイドラインが作成されています。なお、意思決定支援に関しては、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」(平成30年3月改定)、「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」(平成30年6月作成)、「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」(令和元年6月作成)が順次公表されています。
その他、平成30年の障害者雇用に関する不正を受けて改正された障害者雇用促進法や基本方針、第6期障害福祉計画及び第2期障害児福祉計画(令和3年度~5年度)に係る基本的な指針の改正について取り上げました。
障害者に対する支援・制度の近年の動向
・障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン
(2017(平成29)年3月策定)
事業者がサービスを提供する際に必要とされる意思決定支援の枠組みを示すことで、障害者の意思を尊重した質の高いサービスの提供に資することを目的としており、本人や事業所だけでなく障害者に関わる多くの人々にも意思決定支援への参加を促すものである。
意思決定支援では、意思決定支援が必要な場面において、可能な限り本人が自ら意思決定できるうよう創意工夫した支援を行い、自ら意思決定することが困難な場合には意思決定支援責任者を選任した上でアセスメントを行い、意思決定支援会議を開催し、意思決定の結果を反映した個別支援計画等の作成とサービスの提供、モニタリングと評価・見直し(フィードバック)を行うとしている。
・障害者雇用促進法
(2019(令和元)年6月7日改正)
2018(平成30)年に国・地方公共団体の機関における対象障害者の不適切計上及び法定雇用率の未達成が判明したことを受け、再発防止の徹底だけでなく、官民問わず、障害者が働きやすい環境及び全ての労働者にとっても働きやすい場を作ることを目指すことが重要であるという観点から、改正され、国・地方公共団体の責務の明確化や障害者雇用推進者・障害者職業生活相談員の選任の義務化、週20時間未満の障害者を雇用する事業主に対する特例給付金の新設等が段階的に施行された。
https://www.mhlw.go.jp/content/000612023.pdf
・障害者雇用対策基本方針
(2019(令和元)年12月改正)
運営期間は2018(平成30)年度~2023(令和4)年度であるが、上述にある2018(平成30)年の対象障害者の不適切計上等の事案や2019(令和元)年に改正された障害者雇用促進法の施行を踏まえ、対象に公務部門を含めることなどが追記された。
https://www.mhlw.go.jp/content/000611990.pdf
・障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針
(厚生労働省 2020(令和2)年最終改正)
障害者総合支援法及び児童福祉法に基づき、障害福祉サービス等の提供体制や自立支援給付等の円滑な実施を確保することを目的として、作成される。
基本理念に、障害福祉人材の確保と、障害者の社会参加を支える取組が新たに追記された。第6期障害福祉計画及び第2期障害児福祉計画は、この基本指針に即して市町村・都道府県が作成する。
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000631485.pdf
「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」では、様々な法律や制度等の特徴や相違点に着目して整理しながら、学習を進めていきましょう。